09:47 2021年01月24日
ロシア
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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はスプートニクからの独占取材に答え、2020年の国際政治にとって主要な出来事は何か、世界はコロナウイルが突き付けた挑戦に何らかの帰結を出したか、諸国は結束してこれに立ち向かうことができたかについて、ロシアは今後、東方展開を行うかについて語った。

スプートニク:国際外交において今年、最大のブレークスルー、成功または失敗など、最も重要な出来事は何でしたか? コロナウイルスのパンデミックから国際社会は何らかの帰結を出すことが出来たでしょうか?

ラブロフ外相「国際関係にとって今年は複雑な年でした。今年を総括しようとする際に主たる成功ないし主たる失敗といった概念では到底割り切ることはできません。コロナウイルスのパンデミックは国際政治と外交に否定的な影響を及ぼました。それに伴ってグローバル経済には深刻な危機が起きました。その復興のためにはこれから長く、困難な時代に立ち向かわねばなりません。一方ですでに投げかけられているテロ、麻薬密輸、その他の多国籍犯罪の挑戦、脅威も消えたわけではありません。前々からの危機も炎を上げ続けており、緊張から新たな紛争も起きました。

COVID-19の感染拡大阻止をはじめとする、共通の問題があるにもかかわらず、残念ながら問題を効率よく阻止するための国際社会の結束には未だに至っていません。その主たる原因は、米国を筆頭とする西側諸国が国際社会の他のプレーヤーとの間に建設的で同権的な協力を行う構えにないことです。西側諸国は力による圧力から情報戦争まで広範なレンジの違法なツールを積極的に利用し続けています。ウラジーミル・プーチン大統領が貿易戦争や制裁を逃れることのできる『グリーン・コリドー(緑の回廊)』を国際貿易に導入するイニシアティブを掲げましたが、これも耳を傾けてもらえませんでした。この先のグローバル戦略的安定と武器コントロールの制度を崩壊に至らせる米政権の路線も楽観を許すものではありませんでした。

こうした条件下で我々は国益を堅実に擁護するためにあらゆる必要なことを行い、同時に建設的で皆を一つに結束する国際的な議題を前に押し進めました。ナゴルノ・カラバフでの戦闘行為を止めることができたのも、多くはロシア大統領の個人としての尽力のおかげなのです。シリアの危機の政治、外交の調整も積極的に進めました。袋小路にはまっていたリビアの国内対立を解決する国際的な尽力にも協力を行いました。

世界情勢を健全化する目的でBRICS、上海協力機構、集団安全保障条約における議長国としてのロシアの役割を最大限に利用しました。ユーラシア経済連合の様々な統一プロジェクトの実現化や大ユーラシアパートナーシップの形成に協力を行いました。

国際的な健康保健分野におけるリーダー国の1つとして、ロシアはCOVID-19対策への共通の尽力に貢献し、苦境にある諸国に著しい援助を行いました。

2021年、プラグマティックかつ責任ある外交政治を続け、より公平で民主的、多極的な世界構造の形成を促していきます。」

スプートニク:ご自身、ロシアは西側の顔を覗き込むのはそろそろ止めるべきとおっしゃっておられましたが、これは以前から言われている東方への方向転換があるということでしょうか?

ラブロフ外相「まず念を押しますが、我々は誰の顔色も窺って。ロシア国民の大部分はそのヨーロッパ地域に暮らしていますが、ロシアは最大のユーラシア大国であり、欧州太平洋の大国です。ロシアの外交政策は多方向的かつ独立した性格のものです。我々は外国のパートナーらとの善隣外交を維持したいと願っています。

我々は、グローバルな地政学的側面で起きている構造的なシフトを計算に入れています。国際政治、経済の焦点は欧州、大西洋地域から、上り調子の世界の中心地がダイナミックに発展しつつあるユーラシアへとシフトしています。

アジア太平洋諸国をはじめ、東方の諸国との間に互恵的協力を拡大するというロシアの路線は長期的、戦略的性格を持つものであり、国際情勢の揺れには左右されません。」

スプートニク:バイデン氏の元で露米関係はどうなるでしょう? 何らかの変化はあるでしょうか?

ラブロフ外相「残念ながら、早急な修正もしくは下降線をたどる対米関係の安定化さえ当てにはできないでしょう。米国は反ロシア的ヒステリーにすっかり覆いつくされていることから、間もなく正常な状態に戻るという期待は特に持てません。我々の対話は米の国内政治の確執に捕らわれの身になってしまいました。ですからもちろんのこと、建設的な協力へは方向転換できないのです。

それでも我々は、露米関係にはまだ、実現化されていないポテンシャルがあると確信しています。ロシアのせいではなくて、ここ数年に出来上がり、蓄積されてしまった問題を整理するのは容易ではありませんが、これは目指さなければなりません。ところがそのためには、米国側とともに政治的意思を発揮しないとだめなのです。」

特に今のような容易くない時代において二大核大国として、国連安保理事会常任理事国として世界の安定と安全保障の維持に負う特別な責任を考慮すれば、露米関係が改善されれば国際問題全体の環境に好影響が及ぼされるはずです。」

スプートニク:次期米政権では露米は戦略兵器削減条約の効力延長にこぎつけるでしょうか? ロシア側としては、たとえば未来兵器の開発を一時停止するなど、この先何らかの譲歩を行う構えにありますか? なぜロシアにとっては米国の検証制度の提案は受け入れ不可能なのでしょうか? 条約を互いに検証しあうのはそんなに悪いことなのでしょうか?

ラブロフ外相「次期米政権は、戦略兵器削減条約をいかなる追加条件もつけず、できれば最大限に見こされた5年の期限で延長することが、両国および国際社会全体の利益に答えるという明確な事実に立脚すると思いたいものです。

マスコミ用の声明から判断する限り、大統領に選出されたバイデン氏のチームは我々の今の対話のパートナーとは異なり、戦略兵器削減条約を自らの野望のための道具にし、明らかに非現実的な初期位置に『圧力を講じ』ようとは思っていないようです。もしそうであるならば、2021年2月の失効期限までに条約延長に合意するチャンスは依然として残っています。

武器コントロール分野での米国との今後の相互関係の可能性については、これは我々が相手に呼びかけていることですが、いかなる交渉もそれが開始された場合、米国側がロシアの国益と憂慮を現実的に考慮する構えにあるのであれば、手ごたえのある成果をもたらします。この段階で重要なのは、新たな『セキュリティコントロール』の策定を前提とし、変数として戦略的安定の重要な要因の全てを含んだ、我々なりの潜在的な合意枠のビジョンは、すでに米国側に伝えてあるということです。このビジョンは適切性を失っていません。」

 

スプートニク:オープンスカイズ条約(OST)に残った加盟国らから米国にデータを渡さず、検査のために自国の全域の提供義務を守るという確約をロシアは取り付けましたか?

ラブロフ外相「OSTには飛行中の監視機器から得た情報の秘密的性格や、こうした情報へのアクセスの制限を直接示した箇所はありません。

20年ほど前、OST加盟国はテロの脅威が増したためにこの空白部分に注意を向け、2002年、これに対応した、オープンスカイズ諮問委員会の決定を採択しました。

こんにち、米国のOST脱退を受けてこれでは不十分であることは明らかです。米国が同盟国に対し、ロシアの上空飛行で得られたデータを米国側に渡すよう要求を突き付けていることを我々が察知した以上、なおさらです。

この新たな状況を考慮に入れて、我々はOST加盟国に自国の義務を誠実に遂行する、明確な法的保証まで要求しました。」

スプートニク:今年、  国連安保理の対イラン武器輸出禁止が起源入れを迎えました。ロシアとイランの間では軍事技術協力の拡大の具体的プランが策定されていますか? イランがSu-30やT-90を購入する可能性について話は進んでいるでしょうか? このことでロシアがたとえばイスラエルとか、米国などの国との関係を悪化させることにはなりませんか?

ラブロフ外相「現在、国連安保理のラインではイランとの軍事技術協力に対する制限は一切ありません。私たちはこの路線で相互関係を築く権利を十分に有しています。軍事技術協力分野でのロシアの政策は国際法を完全に順守しており、世界でも一二を争うほど厳しい、ロシアの輸出管理法に完全に則って実現されています。」

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