13:59 2021年09月23日
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国際的な電子ジャーナル「Wiley Online Library」によれば、神経障害は、障害を引き起こす原因の中でも、世界でもっとも多いものの一つである。とりわけ、高齢者はこうした障害を負うことが多く、その中でももっとも多いのが、脳内のニューロンの死滅によって引き起こされるパーキンソン病である。

シンガポールの遺伝子研究者らが実験用マウスを使って行ったパーキンソン病の研究は、マウスの脳内ではドーパミンを作るニューロンの喪失が起こらないため失敗に終わった。パーキンソン病は他でもないこの減少によって引き起こされるものである。またこのドーパミンの問題に加えて、認知症の兆候の一つである「レビー小体」と呼ばれる特徴的なタンパク質の塊がマウスの体内では形成されないことが分かった。そこでシンガポールの研究者らは、世界初となる本物の脳を極小サイズで作製することにした。このマイクロ脳には、パーキンソン病の病理的特徴を研究するのに必要なものが備わっているという。

豆粒大の脳の細胞小器官を作製するために、研究者らは幹細胞DNAを使用し、複雑な操作を繰り返した。出来上がったサンプルは、完全に人間の脳と同じ構造で作られており、内部では人間の脳と同じように、ドーパミンを産出するニューロンの喪失や「レビー小体」の出現も起こる。さらに、オルガノイドの1つを使って、研究者らは、パーキンソン病の発症リスクを6倍に高める遺伝子の変異を起こさせることに成功した。

論文をまとめた研究者らは、「人間にしか見られないパーキンソン病の特徴を再現することができたのはこれが初めて。パーキンソン病の新たなモデルを作製できたことにより、病気の進行について研究・分析し、その進行を遅らせたり、止めたりする方法について理解することが可能となる」と指摘している。また研究者らは、研究の主な目的は世界の高齢者らの健康寿命を延ばすことだと強調した。研究者らの新たな発見によって、今後はパーキンソン病の治療薬のテストがより容易になる。

ロシアの神経科医が開発した認知症予防法については、「スプートニク」の過去の記事よりお読みいただけます。

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