00:54 2020年11月30日
フィギュア特集
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世界の多くの国で新型コロナウイルスの第二波が起きているが、その第二波の流行は専門家たちに、人命を救うための複雑な医学上の課題だけでなく、心理的な謎の解明という課題をも与えている。たとえば、生活空間が大幅に狭まる中、職業的技能をどうやって維持するかというような問題である。「スプートニク」はスポーツ心理学研究者に、コロナウイルスの感染拡大に伴い、さまざまな制限が設けられる中で、フィギュアスケート選手らが今後のトレーニングや勝利に向けて、何をモチベーションにしているのか訊ねた。

コロナウイルスの第一波流行のとき、多くのスポーツ選手が文字通り、これまでの生活リズムを狂わされることになった。リンクが閉鎖されたことで、トレーニングのスケジュールが乱れた。もしも第二波の到来で、最悪のシナリオが繰り返されれば、フィギュアスケートの選手たちは、どのようにして冷静さを保ち、綿密に立てられたスケジュールやトレーニングの管理といったスポーツ選手としてのリズムを維持し、超高難度の技を失わずにいることができるのだろうか?

「国立生物医学スポーツ研究所」および「体育と応用心理学研究所」に所属するスポーツ心理学者のオリガ・チウノワ氏は、どのような複雑な状況にあっても、計画を立てることで、選手たちを救うことができるとの見方を示す。「計画には以前の目的と新たな目標を含めます。トレーニングができない状態にある若いフィギュアスケート選手、両親、コーチ陣にとって、何よりも有益なのは、自身のスケートの動画や潜在的ライバルの技術を共に分析しながら、理論的なトレーニングを積むことです。とくに大きな意義があるのは、最大限にリラックスした状態、あるいは立った状態で小さな動きで振り付けしながら頭の中でプログラムを滑ってみる“イメージトレーニング”です」。

コンディションを保つための最大の努力はできたとして、選手たちのモチベーションを上げる大会独特の雰囲気や他の選手との競争といったものの欠如にはどう対処すれば良いのだろうか。

国際スケート連盟(ISU)のアレクサンドル・ラケルニク副会長は、ロシアフィギュアスケート連盟は、ISUの計画に沿って行動していると述べている。「幸い、今のところ、アイスリンクでトレーニングすることは可能であり、また国内での大会は開催することができています。モスクワではロシアカップの第2戦が開催されました。しかし、今後の世界的な大会については、ISUではなく、新型コロナウイルスの感染状態によって左右されることになります」。

一方、コロナウイルス感染拡大の状況下におけるフィギュアスケート界の状況について、コーチ陣たちはどのように考えているのだろうか。オリンピック金メダリストで、3度ヨーロッパチャンピオンに輝き、長いスポーツ人生で数々の輝かしい成果を残した後、現在、表彰台を狙う選手たちの育成に当たっているワシリエフ氏は、これについて次のように述べている。「昨シーズンから、先の見えない状況が続いています。そして今も、冬季・夏季オリンピックを含めて、国際的な大会がどのように行われるのかについて、明確な答えを出せる人はいません。スポーツ選手たちも、他のすべての人と同じように、自分の健康にはできる限り気をつけなければなりません。国の代表チームのメンバーは、トレーニングをする権利を有しています。また国内大会がスタートしたことによって、選手たちは大会での雰囲気を忘れずにいることができます。もちろん、これは理想的とは言えない厳しい状況ですが、パニックに陥ることを避けることはできます。大事なのは、とにかく毎日アイスリンクに出て、いまの状況下で、またこの時期にできることをやり続けるということです」。

しかし、現在、ロシアのフィギュアスケート界にはもうひとつ、「ファンとコーチの論争の拡大」という別の問題がある。こうした争いはオンライン上で見慣れたものになりつつあり、その雰囲気はショービジネスと比較されるようになってきている。こうした状況は選手たちの心理状況、そしてキャリアの向上にどのような影響を与えるのだろうか。

チウノワ氏は言う。「ファンとコーチによるインターネット上の論争の対象となる選手たちはその争いに巻き込まれることになります。ただ、一般的に、選手たちの捉え方、感じ方はメディアに書かれているようなものとは違っています。若いフィギュア選手たちは、心理的にまだこうしたことを受け止められるだけの人生経験がありません。ですから、こうしたネット上の論争が、選手たちの人生の方向性を狂わせ、心に大きな傷を与える可能性があると思います」。


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フィギュアスケート, 新型コロナウイルス
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