2014.02.28 , 20:51

ノボシビルスク ネズミの銅像が立てられる

ノボシビルスク ネズミの銅像が立てられる

   2014年、ノボシビルスクにある実験用ネズミを記念する銅像が「セレーブリャニイ・ルチニク」社会関係部門グランプリに輝いた。この銅像は一年前に建てられたもの。

   人類が実験用ネズミに負っている恩義は大きい。ロベルト・コッホが1870年にはじめて以来、細菌学ではネズミに様々な病原菌を感染させるし、製薬では新薬の実験がネズミで行われる。ネズミは腫瘍学や免疫学、移植研究など様々な医学分野で実験を行う際には欠くことができない存在だ。心理学者などもネズミを迷路に置いたりして記憶や方向感覚の実験を行う。遺伝操作が可能になったときもネズミが必要不可欠であった。肥満や攻撃性、アルコール依存など様々な遺伝子がネズミに組み込まれてきた。

   大阪大学の野村大成・名誉教授は、ネズミを使って放射線の影響を調べてきた。1981年には英国のマーティン・エバンスがネズミの胚盤胞から幹細胞を分離させるのに成功している。2007年には「マウスの胚性幹細胞を用いた、特定の遺伝子を改変する原理の発見」によりノーベル生理学医学賞を受賞した。

   ノボシビルスクの学者らは実験用ネズミに対する感謝の気持ちを、この2メートルの銅像に込め、「DNAを編むネズミ」と刻まれた。

   これは学術研究都市内の細菌生物学・遺伝学研究所近くの広場に設置されている。ニコライ・コルチャノフ所長によれば、「人類がネズミを使って動物の遺伝子の研究や疫病のメカニズムの研究を行い、新しい薬剤を開発する可能性を持っている」ことへの感謝の気持ちだという。

   銅像を作ったノボシビルスク出身の芸術家、アンドレイ・ハルケヴィッチさんは、十以上の習作を作ったという。そのなかから選ばれたのは鼻眼鏡をかけたネズミがDNAを編んでいるものだった。「これは実験用ネズミと研究者らのイメージが合わさったもので、目指すところは同じということです。このネズミの目を見てもらえれば分かりますが、すでに頭では何かを思いついているのです。ただ「エウリカ!」と叫ぶ瞬間はまだ到来していないのです。」

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