2014.04. 9 , 14:26

ロシア自動車ビジネスの歓喜と失望

   先週ロシアの自動車ビジネス界には、悲喜こもごものニュースが飛び交った。まず喜ばしいのは日本関連のもので、日産がダットサン・シリーズのニューモデルを発表した。またロ日合弁企業「ソレルスいすゞ」がウリヤノフスクで、いすゞトラックの本格的な生産を開始した。一方人々をがっかりさせたのは、ロシアの大富豪ミハイル・プロホロフ氏で、彼は「ヨーモビール」という名の電気自動車(EV)の生産プロジェクト閉鎖を伝えた。

   日産のニューモデルは、ロシアなどの国々向けに特別に開発されたもので、ダットサンという名称の車は、1931年から1986年まで生産されていた。しかし新型モデルは、事実上、それらとは違う全く新しいバリエーションだ。そのデザインは、日本で作られたが、開発には、地域レベルで国際的なエンジニアチームが80年に及ぶ日産の経験全てを利用しながら取り組んだ。

  日産は、ロシア市場で決して悪くない評価を得ており、特にオフロードカーの人気は高い。なぜ日産は、今回古いブランド名に注意を向けたのだろうか? VOR記者は、この質問をインターネット・ポータルサイトAuto-Dealer.ruの専門家ミハイル・チャプルィギン氏に聞いてみた―

   「そこには、いかなるレトロ嗜好もありません。この車をロシアで生産する事にも問題はないと思います。なぜなら日産は、当初から一般ユーザー向けの自動車メーカーとして位置付けられてきたからです。ですからこのモデルの生産は、ブランド名を世界に広めるために原則的に重要なのです。日産は、ダットサンのモデルラインアップのおかげで、予算的に手頃なものを求める買い手の数を拡大したい意向です。価格は40万ルーブル以下に抑えられるので、日産の好ましいイメージに支えられ、多くの潜在的な買い手が、きっとダットサンに注目するに違いありません。

    最初のシリーズは、早ければ6月初めにもディーラーのサロンにお目見えするでしょう。今年2014年は、2つのモデルが出されますが、そこで立ち止まることはなく、今後数年間で、きっと次々とモデルが発表されてゆくでしょう。ロシア産ダットサン輸出の可能性も検討されているのですから、なおさらです。」

    ダットサンに劣らず嬉しい、もう一つのニュースは、ヴォルガ沿岸から飛び込んで来た。ウリヤノフスク自動車工場で、ロ日合弁企業「ソルレスいすゞ」が、いすゞの貨物自動車の本格生産を始めたのだ。現地で、車の溶接、組み立て、塗装が行われる。このプロジェクトの年間生産台数は、5千台だ。 本格生産開始セレモニーには、ドミトリイ・メドヴェージェフ首相自らが出席し「工場発展における新たな段階は、もちろん、ロシアと日本の、そしてこの分野における協同事業のしっかりとした絆の深まりを確認するものだ」と強調した。

    さて最後に、残念なニュースにも触れなくてはならない。プロホロフ氏による国産電気自動車(EV)製造プロジェクトは、挫折に終わった。技術的に優れている一方で値段が手ごろなハイブリッドカーを作ろうとの計画だったが、自動車市場での車の売り上げが全体的に落ち込む中で、そうしたプロジェクトを進めるのは採算が合わないとの判断から、プロジェクトは閉じられることになった。

    先に御紹介した自動車問題専門家のチャプルィギン氏は「アイデアは、挫折が運命づけられていた。なぜなら、現段階では誰もまだ、ハイブリッドカーを安く作る事は出来ないからだ。値段が高ければ、世界的なブランドを誇る車でも競争できない」そう指摘している。

   リュドミラ・サーキャン

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