12:59 2018年10月24日
ロシア文化センター神戸の誕生秘話:子どもの交流、ますます盛んに

ロシア文化センター神戸の誕生秘話:子どもの交流、ますます盛んに

© 写真 : Russian Culture Center Kobe
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徳山 あすか
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西欧文化に縁の深い街・神戸にまたひとつ新しいカルチャーの発信基地ができた。ロシア文化センター神戸である。同センターは9月16日に発足セレモニーを行い、現在は神戸市中心部のJR三ノ宮駅近くに常設センターを開所すべく、準備が着々と進められている。常設センターは来月を目処にオープンする予定だ。

ロシア文化センター神戸の所長に就任したアンナ・ヴォロジツォワさんは、日本人男性と結婚したことがきっかけで神戸に引っ越してきた。神戸には、ロシア人の子どもたちや日露ハーフの子どもたちのためのロシア語学校「ミーシカ」(小ぐまの愛称形)があり、毎週土曜日に授業を行っている。娘にロシア語を学ばせたいと考えたヴォロジツォワさんは、ミーシカ校長の柿沼エレーナさんと出会い、そこでロシア文化センター神戸を設立しようというアイデアが生まれた。というのは、ミーシカでは生徒の親の中で、ダンス、バレエ、絵画、執筆、音楽、歌など、創造的かつ芸術性のある仕事をする人たちがとても多いことがわかったためだ。ロシア人にとって人生における文化芸術活動は大きな意義がある。ヴォロジツォワさん自身も、ミーシカでは工芸の授業を受けもち、手芸やロシア民芸品作りなどを教えている。

ロシア文化センター神戸は、ロシアの芸術や文化を発信し、日本人との交流を深めていくことはもちろん、ロシア語話者にとっての情報センターとしての機能も備える予定だ。来日したばかりの留学生の生活のサポート、病院や銀行での手続き、日本人との結婚、子どもの教育のことなどを相談したり、情報を得ることができるようになる。ロシア語書籍を集めた図書館、また、国籍に関わらず柔道や空手を学べる子ども武道アカデミーも併設する予定だ。ロシアにルーツをもつ子どもたちと、日本人の子どもたちがスポーツを通して交流できるようになる。

ヴォロジツォワさん「ロシアと長い関わりをもつ神戸の地で、ロシア人だけでなく、ウクライナ人やベラルーシ人などロシア語を話す全ての人と仲良くなり協力して、彼らが便利に生活していけるように助けたいと思います。また、日露ハーフの子どもたちは、文化の違いから、学校などで理解してもらえないことや、友達同士で理解不足になったりすることもあります。私たちのセンターの活動を通して国と国、人と人、子どもと子どもの交流が進むことを願っています。武道アカデミーでは子どもたちに武道そのものだけでなく、礼儀正しさも学んでほしいと思っています。」

ロシア文化センター神戸の活動は、非常にアクティブだ。神戸市内の様々な国際交流イベントはもちろん、関西圏に住むロシア人と連携し、来年2月25日、マースレニッツァ(春を迎えて冬を送る祭り)の時期に京都で行われるロシア・フェスティバルや、大阪で3月に行われる復活祭イベントにも参加協力することが決まっている。また、2017年の神戸港開港150周年の際には、ビッグイベントを計画している。

2014年度のデータによれば、兵庫県には246人のロシア人が住んでいる。もちろん東京や大阪といった大都市に比べれば少ない数字ではあるが、ロシア人ディアスポラは特に神戸において、歴史にその存在を刻んできた。

1858年に日露修好通商条約が結ばれ、兵庫港(現在の神戸港)が1868年1月1日に開港。その後、皇太子ニコライ(後のニコライ二世、ロシア帝国最後の皇帝)が来日する直前の1891年に、ロシア帝国領事館が建設された。1917年のロシア革命においては多数の亡命者が発生し、神戸は窓口となった。1927年には、亡命したロシア人たちは神戸で亡命者の会を設立し、互いの生活を助けたり、文化イベントを行ったりした。亡命者の中には、神戸市民にとっておなじみのモロゾフやゴンチャロフといった洋菓子メーカー創設者もおり、特にモロゾフ氏は現在も残る神戸ハリストス協会の建設に大いに尽力した。

近日中に神戸でロシアを感じられるイベントとしては、今回で第二回目となる「神戸ロシアフェスティバル」(フェスティバル主催者代表:ナタリヤ・ボゴウディナさん)がある。10月23日(日)神戸ハーバランド・モザイク東側の高浜岸壁にて、11時からスタート。コンサートやバザー、出店やワークショップが楽しめる。

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