00:47 2019年10月21日

「冷戦の始まりだ」米中の経済対立の行く末は 諸専門家のオピニオン

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第11回米中閣僚級貿易協議が9、10両日に行われたが、行き詰まりは明白だ。すぐに状況が改善する兆候もない。一方、双方はコンセンサスに達するためベストを尽くしたと主張する。

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トランプ米大統領は2000億ドル(約22兆円)相当の中国からの輸入品の関税率を10%から25%に引き上げた。さらに3000億ドル相当の輸入品への追加関税も宣言しているが、これは現在追加関税対象外の輸入品ほぼ全てにあたる。その理由として、トランプ氏は中国への米国輸出品があまりに少ないと主張。貿易赤字は4000億ドルを上回る。そのうえ、米国は中国が元安を容認し、米製品の知的財産権を大量に侵害していると批判する。トランプ氏はツイッターで、2020年米大統領選で民主党が勝つことを見込んで時間稼ぎをせず、貿易取引を早急に締結するよう中国に推奨した。

トランプ氏は追加関税が米国経済のプラスになると主張するが、貿易協議が失敗した直後、米株式市場で急落。米アップルが6%下がるなど、一部企業の下落が目立った。中国と関係するハイテク企業にも影響があった。今年の米農産物の中国への輸入も、ほぼ完全にゼロになった。中国は報復措置として、6月1日から600億ドル相当の米国からの輸入品への関税引き上げを発表した。

米中貿易関係の加熱に関して、ロシア通信社「ロシアの今日」のドミトリー・キセリョフCEOとのインタビューで、中国国有の大手投資企業「中国中信集団(CITIC)」の孔丹・元董事長(会長)が見方を示した。

「ビジネスパーソンとして、米国が何を望んでいるのか、よくわからない。彼らは、中国の発展が容認できないと考えているのしょうか?それとも、将来の発展の可能性を私たちから奪いたいのでしょうか?私の見るところ、貿易戦争開始直後から今日にいたるまで米国が出す措置は、何らかの制裁の形態というよりも、中国を抑え込む措置です。これは、貿易、経済・産業発展、学術、技術、金融分野、さらには人的資源分野といった、様々な分野で中国の発展にブレーキをかけたいという望みです」

米中の摩擦はただの貿易戦争として考えるべきではない。戦略研究ロシア研究所のアナリスト、ビャチェスラフ・ホロドコフ氏はそう述べる。

「これを『貿易戦争』と考えれば、非常に表面的な定義となるだろう。実際には、この超大国2国の間には苛烈な競争が行われている。私なら、これを冷戦の開始だと述べるだろう。米国は国際的な対中前線の形成を目的にしている。米国はすでに、中国技術を購入する国が現れれば、情報協力などのレベルが急落すると警告済みだ。貿易協議の歩みに関わらず、米中関係は様々な分野で緊迫化して行くと考えている」

貿易による米中衝突が続くと、全世界の経済に悪影響を及ぼしかねない。国際通貨基金(IMF)も定期的に「ドミノ効果」のリスクを警告している。米国の新たな関税引き上げは、最初のドミノを倒しかねない。

次の貿易協議の日付は発表されていない。だがトランプ氏と中国の習近平国家主席は6月末に大阪で開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で会談し、再び関税問題を話し合う可能性もある。

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