2013.04. 9 , 12:39

北極圏で北極開発を討議

北極圏で北極開発を討議

   ロシアのサレハルドで、「北極評議会」会議が開催中だ。サレハルドは世界で唯一、北極圏(緯度60度32分以上)内に位置する都市だ。北極海沿海諸国、すなわちデンマーク、アイスランド、カナダ、ノルウェー、ロシア、米国、フィンランド、スウェーデンが、北極における協力の展望を討議する。

   北極圏は石油・ガスの宝庫である。現在判明しているところでは、ロシアの大陸棚部分には1000億トンの化石燃料が眠っている。既に開発は始められており、これから益々力が注がれていく。海洋学研究所の副所長レオポルド・ロプコフスキイ氏はそう語っている。

   ―ロスネフチと米企業エクソン・モービルがカラ海の資源採掘に関する合意を締結済みだ。ペチョラ湾ではルクオイル社のプラットフォームが稼動している。ロシアには膨大なプランがある。ロスネフチとガスプロムは30以上のライセンスを取得した。ストックマン採掘場のあるバレンツ海にはじまり、カール海、ラプテフ海、ノヴォシビルスク海、チュクチ海に至る、全ての海におけるライセンスだ。北極のロシア大陸棚部分の全てにプランがある。

   サレハルド国際会議のメインテーマは「北極の大陸棚を開発する際の技術的・環境学的安全の保障」というものだ。北極・南極学術研究所のアレクサンドル・ダニーロフ所長はそう語る。

   ―最も恐ろしい非常事態は、石油が漏出し、拡散するということだ。漏出事故の際に、氷の上を広がっていく石油を回収するのは容易な課題ではない。いま北極で作業を開始しようとしているロシア企業、そのパートナー役の外国企業も、そのことはよく理解している。このことこそ北極海沿海諸国にとっての焦点、中心的問題である。

   北極のロシア部分の生態系保全に関する5つのプログラムを、「北極評議会」が主導する。北極圏の動植物相を保護するという問題を研究するべく、国際的な合同調査が行われている。サレハルドの国際会議のテーマのひとつに、ロシア沿岸をゆく物流ルート「北極海航路」の安全をいかに確保していくか、というものもある。再びアレクサンドル・ダニーロフ氏のコメントを引用する。

   ―1930年代からロシアが取り組んでいるテーマだ。航路の安全確保のためには、等級「氷」の船を建造し、また強力な砕氷船を用意する必要がある。そのどちらも、ロシアは既に有している。さらに、新規建造にも着手している。また、水文地理学的データや測位(ナビゲーション)システムを完備する必要がある。底浅の海底に乗り上げたりしないように、標識を立てたり、十分な寄航・補給インフラを備えねばならない。それでこそ、北極の氷の海で、好適な、安全な航路を選んでゆくことが出来るのだ。

   「北極評議会」諸国はすでにロシアの「バルネオ」基地に代表団を派遣している。北極点から50kmの距離を漂流する3km×4kmの氷塊の上で、56人の調査員が作業を行っている。ゆくゆく、この基地は観光客向けに開かれる。今シーズンは200人の観光客を見込む。

 

   ミハイル・アリストフ

 

ミハイル・アリストフ
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