2014.04.10 , 15:57

G20、米国を無視してでもIMFを改革する

G20、米国を無視してでもIMFを改革する

   ワシントンで10・11日開催のG20財務相・中央銀行総裁会議の主要議題は「IMF改革」だ。G20諸国はIFMへの出資割り当て額をより公平なものにするべく、改革案を討議する。この動きに唯一反対しているのがIMFへの最大出資国、米国である。

   G20は我慢の限界に来ている。加盟188ヶ国の大半の賛成で、2010年、IMFの改革が決められた。 しかし、IMFで唯一事実上の拒否権を握る米国がこの動きにブレーキをかけている。前回のG20シドニー・サミットでは、これ以上黙って待ってはいられないと、米国に対し直接的な宣告もなされた。「我々の最高優先課題は2010年改革の批准である。我々は米国サイドに、4月に開催される次回の会合までに、それを行うよう、執拗に呼びかける」とIMF会合の総括コミュニケに語られた。米国は聞き入れなかった。米国議会はいまだに批准を済ませていない。ワシントンはIMFを私有の金融機関のごとくに利用することに慣れてしまっており、現状の変更を望んではいない。高等経済学院のオレグ・マトヴェイチェフ氏はそう語る。

   「ワシントンは権威を損ねたり影響力を落としたりしないために、問題の解決を引き延ばしている。もしも改革がなされたら、全てはより官僚的に、かつ、より合議的になる。つまり、米国はこれまでのようにIMFを私有物のごとく利用できなくなる。米国はIMFに命じてウクライナに150億ドルを拠出させた。猶予付きにもせよ、ともかく、これは命令だった。しかし改革後には、他のプレイヤーたちが、たとえばクレジットの条件についてとか、期限についてとか、あるポイントについて反対だと言えば、米国は現在のようには単独強行できなくなる」

   IMFでは現在、出資割り当て額、すなわち各国がその経済力に応じてIMFに支払う金額の多寡によって、議決権の比重が決まる仕組みをとっている。IMF改革とは、これを修正しようとするものである。当初、割り当ての大部分を担っていたのは、先進7ヶ国=G7であった。中でも米国は16%を出資して、事実上、拒否権を一手に握った。IMFが特に重要な事柄について議決する場合、85%の賛成が必要と定められているのである。

   しかし近年、IMFへの出資に占める途上国の割合が飛躍的に増大した。参加国多数によって承認された改革案では、実勢に見合う形で既定の割り当て額を是正し、 新興国の割り当て分を最低6%にすることが提案されている。中でもBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の割り当ては3.46ポイント増加の14.18%となる。

   マトヴェイチェンコ氏は、割り当て是正によっても米国の拒否権が消滅することはないだろうが、それでも新興国の意見を聞かなければならなくなるケースは増えるだろう、と語っている。

   「BRICSならずとも、この間に世界経済への貢献度を増し、特に金融面で重みを増した国々すべてが、改革を必要としている、当然のことながら、彼らはまた、IMF理事会その他運営組織に、自国の代表のための席を設けることを欲している。誰に支援を施すか、または施さないかということを、自分たち自身で決められるように、である。従って、改革によって敗北を喫するのは、現状IMFによる支援先の決定権を一手に担っている、米国である」

   その他の工業先進国は、評決の際の自国の重みが減じることに苦い思いをしながらも、それでも改革を支持している。つまり、全IMF加盟国に、ただ米国一ヵ国のみが反対しているという構図である。世界経済の屋台骨たるG20は、このような状況をこれ以上放置できない。ワシントンにおける今回のG20サミットで、米国を除く19ヶ国は、米国抜きでも改革を進める、と宣言した。それが法的に可能かどうか、専門家グループによる討議が行われている。

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