2014.07. 3 , 12:03

キエフで外交的曲芸を演じざるをえない岸田外相

キエフで外交的曲芸を演じざるをえない岸田外相

   NHKのインターネットサイトの報道によれば、日本政府は7月に岸田外相のウクライナ訪問を検討している。日本外務省は現段階ではこの報道を肯定も否定もしていない。

   ウクライナ訪問で予定されているのはクリムキン外相との会談だけではない。ポロシェンコ大統領との席も設けられている。キエフで岸田外相は、ウクライナの主権を支持し、政治的安定におよびエネルギー分野をはじめとする経済復興に協力する日本の意向をウクライナ側に約束するものと思われる。特に日本政府はウクライナに、石炭を燃料とする熱発電事業の創設に助力する構えを見せているが、日本の持つ石炭の燃焼技術は世界でも最も効率が高いとして知られている。予想では日本のウクライナ支援は総額で15億ドル。日本はこうした気前の良い態度を示すことで、米国に対し、そのウクライナ支援施政に連帯を表すところを見せたい意向だが、それだけではなく、おそらくはこれで、日本がウクライナ問題に関する対露制裁政策に積極的に加わろうとはしないことへの米国の不満を和らげたいと望んでいるのだろう。

   キエフでは岸田外相は、訪問の結果で米国ともロシアとも喧嘩しないような奇跡のバランス外交の曲芸を示さざるを得ない。いま日本は、ロシアとの関係を複雑化してはならない。なぜなら今秋にプーチン大統領の訪日が控えているからだ。そのため日本側はロシアとの政治対話を断つつもりはない。これについてはナルィシュキン露下院議長も6月の訪日で確信を表している。

   対露関係問題では日本は、エネルギープログラムを多極化し、中国との地政学上の衝突要因としても日本にはロシアが必要であることを米国側に説明する必要を迫られるだろう。露日がこの先関係拡大を図ることについて、米国がどんな反応を示すだろうか。これについてロシアの政治技術センターのアレクセイ・マカルキン所長は次のように語っている。

   「一度始まった対話はこの先も続け、発展させていく必要性があると思う。だがこれは慎重に行わねばならず、政治問題や心理的な場面、国際的な関心に関わる場合は、対話に制限を設けざるをえない。

   最初に話が及ぶのは領土問題で、これに日本はロシアとの関係を構築する上での主眼においているが、ロシアにとっても島の問題は重要な政治問題となっている。ロシア社会にとってはこれらの島は象徴的な性格を孕んでおり、セヴァストポリにおける黒海艦隊の存在のように、極東における我が国の存在を示すものなのだ。

   だから過剰な期待を抱かず、このテーマを人道的協力に限定するならば、プーチン・安倍会談の結果は…、と思えるのだが。」

   日本の実業界および政界でロシアとの経済協力を支持する者の数が増えていることも指摘したい。33人の議員で構成するグループはロシアから日本へのガスパイプラインの敷設プロジェクトをなんとか実現しようと多大な尽力を行っている。数年前の日本はこうしたプロジェクトに耳を貸そうともしてこなかったのとは大違いだ。今秋のプーチン・安倍会談でこのプロジェクトが最重要テーマに挙げられる可能性もないとはいえない。だがこれが全てではない。ロシア産液化天然ガスの輸入拡大に大きな関心を払っているのは日本の公共事業体なのである。これからの10年で日本はウラジオストクのターミナルから大量の液化天然ガスを購入することが予想されている。将来、政治的な動向に依らず、この2つのプロジェクトがロシアと日本を長期的にエネルギッシュに結びつけていく可能性はある。だからこそ、ウクライナの事態がこれに害を及ぼしてはならないのだ。

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