20:26 2020年07月08日
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新型コロナウイルス蔓延により世界経済は大きく落ち込んだ。しかし多くの国では制限措置が解除されたことで製造も回復し始め、それとともに石油需要も回復しつつある。このことは全て、先日のOPECプラス会合でももちろん考慮されている。同会合では減産合意第1期の結果をまとめ、今後の動きについて方針が定められた。スプートニク通信は、減産合意がどのような結果をもたらしたか、またこの合意の勝者、あるいは逆に損失を被る国はどこなのかを専門家に尋ねた。

ブルームバーグは、米シェール企業はOPECプラス減産合意延長に喜んではいけないと指摘している。ブルームバーグの懸念は、減産合意参加国は原油価格上昇と米シェール企業の成長低下の両方により自身の市場シェアを拡大できるという事実にある。

一方で、減産合意の延長期間はわずか1か月。これほど短期的な決定を踏まえ、米国にリスクはあるのだろうか。

サンクトペテルブルク国立大学アメリカ研究科のグリゴリー・ヤルィギン准教授は次のように語る:「新型コロナ感染拡大の状況はよくなったものの、依然として安定はしていません。

このような状況で、OPECプラス参加国は短期的な合意が最も得策であるという意見に落ち着いたと言えます。このほうが今後の方針を決めるにあたって、柔軟に対応できるからです。例えばナイジェリアとカザフスタンは課された減産割当を守ることができませんでした。そのためこの2カ国は合意脱退はせず、後送りの9月-10月で生産を凍結することにしました。」

「一方、このような短期的方針は米エネルギー企業にとっては生産計画の障害となります。経済不況の中、エネルギー資源の需要は採算性(約50ドル)ラインで常に均衡を保っている状態です。50ドルを下回る価格は米シェール市場を完全に潰すわけではありませんが、長期停滞という脅威をもたらします。採算がとれない状態では、井戸を即座に止めたり、逆に急速に生産を増やすことは困難です。米国のエネルギー活動はまさに資産として活動を継続している井戸の数で測られているのです。」

ヤルィギン准教授は同時に、トランプ氏とその支持者にとって原油価格下落は有利に働いていると指摘する。ガソリン価格と連動、つまりガソリン価格が下がるからだ:「 トランプ氏にとって有利なのは11月までの短期的展望においてのみ(11月に米国大統領選‐編集部注)。選挙キャンペーンが終われば、安定した経済復興と雇用の場が求められます。」

投資会社「インスタント・インベスト」のアレクサンドル・チモフェエフ金融市場・マクロ経済分析部長は、米国経済におけるシェールオイルのファクターはあまりにも誇張されていると考える:「サウジアラビアがサウジアラムコを顔として、ロシアはロスネフチを顔として今後も『喧嘩』に参戦しますが、米国が同じようにシェール生産の今後を心配しているかというとそうは思いません。一方で、輸送コストを下げる原油価格下落は今のトランプ氏にとって有利だという意見には賛成です。」

ほんの3カ月前にはロシアとサウジアラビアは石油戦争の状態にあった。しかし今では両国、また他の参加国が交渉のテーブルについている。ということは、OPECプラスの最大の功績は原油価格上昇ではなく、枠組みの参加国が危機打開の糸口を見出したいという共通の意思にある。というのも、OPECプラス減産合意を長期に継続した場合でも、石油市場には新型コロナの第二波や長引く米中貿易戦争など、他のリスクが多く残されているからだ。

この記事に示された見解はスプートニク編集部のものとは必ずしも一致していません。

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