19:33 2020年11月25日
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放射線耐性菌のデイノコッカスのコロニーが過酷な宇宙環境下でも数年間生き延びることが、3年間にわたる日本の研究者らによる国際宇宙ステーション(ISS)での実験で明らかになった。これは、地球の生命は宇宙から来たというパンスペルミア説を裏付ける強力な論拠となる。

今回の研究結果は、科学誌「微生物学の最前線(Frontiers in Microbiology)」に掲載されている。

日本の研究者らは、2015年より生命および有機化合物の惑星間移動の可能性を探るための宇宙生物学的プロジェクト「たんぽぽ計画」を進めている。成層圏の下層を調査する東京薬科大学の研究者らは2018年、強力な太陽放射を受けるにもかかわらず、高度12キロメートルの上空で細菌のデイノコッカスが生き延びることを明らかにした。

そこで研究者らは、地球上で最も放射線に強い生物の一つであるデイノコッカスが宇宙空間で生き延びるかどうかを調べることにした。

研究者らは、国際宇宙ステーション内の日本の宇宙実験棟である「きぼう」の外壁にデイノコッカスのコロニーを数個設置。様々な密度のサンプルを2015から2018年にかけて、1年間、2年間、3年間の期間で宇宙環境で暴露させ、その生存率を調べた。

研究者らは3年間の実験期間終了後、直径0.5ミリ以上のデイノコッカスのコロニーは部分的に生き残っていることを明らかにした。表面上に存在したデイノコッカスは死滅していたものの、その下にいる細菌は保護層を形成し、全てのコロニーでの生存を確保していた。

論文の著者らは、デイノコッカスが宇宙船の外壁で15〜45年間生存できるとみている。この時間は、惑星間を移動するのに十分な長さであるという。さらに研究者らによると、直径約1ミリのコロニーは宇宙空間で、最大8年間生き延びる可能性があるという。

この研究結果から研究者らは、デイノコッカスは軌道にもよるが、地球から火星への移動、あるいはその逆コースで、数ヶ月間か数年間生き延びる可能性があると指摘している。

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火星, ISS, 宇宙
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